木造の注文住宅を建てるメリット・デメリットを確認しよう！

木造住宅は、日本で古くから用いられてきた伝統的な建築構造です。現在でも多くの木造住宅が建てられておりまだまだ根強い人気があります。この記事では、木造の注文住宅を建てるメリット・デメリット、RC造住宅との違いなどを詳しく紹介します。注文住宅の構造で迷っている人は、ぜひご覧くださいね。

木造の注文住宅を建てるメリット

木造住宅のメリットはいくつかあり、一つ目は断熱性や通気性、調湿性に優れていることです。

自然の木材は、部屋の中を一定の温度に保ち、余分な湿度を吸収する性質があるため、夏は涼しく冬は暖かい快適な住宅が建てられます。木造住宅は、高温多湿な日本の気候と相性がよく、1年を通して過ごしやすい住まいがつくれるでしょう。

二つ目のメリットは、リラックス効果が得られることです。人が森林浴をしたり、木の匂いを嗅いだりすると癒し効果が得られるのは、木に含まれる精油成分のためだといわれます。

生活の中で木材に触れる木造住宅も同じ効果が期待できるため、ストレスの軽減し気持ちよく毎日を過ごせることでしょう。

三つ目のメリットは、ほかの構造に比べて建築コストが安いことです。木造住宅は建材が比較的軽いため、基礎工事にあまり手間がかかりません。

また、木材は鉄骨住宅のように下処理を行う必要がないので、工期も比較的短く済むでしょう。注文住宅はどうしても予算が膨らみやすいため、少しでも費用を抑えたい人は木造住宅がおすすめです。

木造の注文住宅を建てるデメリット

木造住宅のデメリットの一つ目は、メンテナンスに手間がかかることです。木材は鉄骨などに比べると耐久性が低いため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

一般的な住宅は10年前後でリフォームを行う必要があるといわれています。劣化を放置しておくと住宅の強度が下がったり、構造部分が腐敗したりと、大規模な修繕が必要になる可能性もあるので、このタイミングで業者に点検を依頼すると安心です。

二つ目のデメリットは、シロアリ対策が必要なことです。近年は、床下にコンクリートを敷き詰めることで被害を抑えられているものの、まだまだ被害を受ける住宅はあります。

建設時に防蟻処理を依頼し、定期的にシロアリ被害を受けていないか点検をしてもらうと安心です。防蟻処理に使用する薬剤は5年ほどで効果が薄れてしまうため、定期的に再施工を依頼する必要もあります。

三つ目のデメリットは、鉄骨系の住宅に比べて施工が難しいため、職人の技術によってクオリティに差が出やすいことです。木造住宅は自然の木材を扱うため、ひとつひとつの建材に多少のばらつきがあります。

木材は、規格に合うようにあらかじめ工場で加工していますが、微調整をするために現場で手を加えることも少なくありません。職人の技術が仕上がりに影響しやすいので、木造住宅を建てる時は、実績や口コミなどを参考に、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

RC造住宅との違いは？

RC造住宅とは、鉄骨コンクリート住宅とも呼ばれ、構造部分に鉄骨を使用し、コンクリートで固めることで建物を組み上げる工法です。もともと公共施設やビルなどで使われていましたが、近年は技術の進歩により一般住宅でも用いられるようになりました。

大手ハウスメーカーでは木造とRC造の好きな工法を選べる場合も多いため、それぞれの特徴を理解した上で、住宅の構造を決めるとよいでしょう。

RC造住宅の特徴は、耐久性が高いことです。建物は法律によって耐用年数が決められており、木造住宅は22年、RC住宅は47年です。RC住宅は木造住宅に比べて、紫外線や雨、風、地震などの影響受けにくいため、長い間建物の劣化を防げるでしょう。

また、RC造はトップクラスの耐震性を持ち、過去の地震でも倒壊の被害が少ないといわれています。RC造住宅は、横に引っ張る力に強い鉄筋と、圧縮される力に強いコンクリートで構造部分を組み上げているので、ほかの住宅よりも地震の揺れに耐えやすいのです。

しかしながら、RC造住宅は建設費用が高いため、注文住宅に採用する場合は予算を見直す必要もあるでしょう。木造住宅の倍近い費用がかかることもあり、なるべく初期費用をかけずに家を建てたい人にとっては、割高に感じるかもしれません。

RC造住宅はメンテナンス費用を削減できるため、長い目で見ればコストパフォーマンスがよい構造だといえますが、ローンを早く払い終わりたい人や、とにかく安く家を建てたい人は木造住宅の方が適しているでしょう。

「木造住宅を選んでほかの設備や間取りにこだわりたい」「RC造住宅にして将来のメンテナンス費用を浮かせたい」など、住まいの希望をよく考えながら、最適だと感じる構造を選べれば理想的です。

木造住宅は、古くから日本で用いられてきた歴史ある工法です。調湿性や通気性が高く、日本の気候と相性がよいため、1年通して快適な住まいがつくれるでしょう。ほかの構造に比べて建設費用が安いので、なるべく費用を抑えて注文住宅を建てたい人にもおすすめです。

一方で、木造住宅はメンテナンスに費用がかかる、職人の技術によって仕上がりにばらつきがあるなどのデメリットもあります。よって木造住宅を建てる時は、施工実績が豊富な業者に依頼すると安心ですよ。