【防災対策】災害が発生しても安心できる家ってどんな家?
自然災害が多い日本において家を手に入れる際は、家の災害対策を避けては通れません。災害には地震や台風などが直接及ぼす被害である一次災害と、一次災害をきっかけに発生する停電などの二次災害があります。ここでは万が一災害が発生しても安心できるように、一次災害・二次災害に強い家づくりについてご説明します。
地震や台風にも負けない丈夫な家
地震と台風は日本において身近で被害のリスクが高い自然災害です。ここでは、地震や台風による一次災害の被害を最小限に抑えるための家の工法や、設備について確認しましょう。
地震に備える
地震対策には、揺れに対する対処方法の違いにより、免震・制震・耐震の3種類の工法があります。免振とは、地震の揺れを受け流す工法で、建物と基礎の間に免振装置を設置して地盤と切り離すことで、地震の揺れを直接建物に伝えない構造です。
制震とは地震の揺れを吸収する工法で、建物の内部にダンパーなどの制震部材を組み込むことで、地震の揺れを吸収する構造です。耐震とは地震の揺れに耐える工法で、地震で建物が倒壊せず、避難ができることを前提に、筋かいなどで建物の強度を上げて揺れに耐える構造です。
このなかで最も揺れが小さく、家の躯体や家財の損傷リスクが軽減される工法が免振ですが、制震部材の品質も日々向上しているので、各ハウスメーカーや工務店が得意とする工法について、詳しく確認するとよいでしょう。
台風に備える
台風の対策として、耐久性のある住宅設備を取り入れることで、飛来物によって家が損傷するリスクを最小限に抑えることができます。高い耐久性の屋根材や割れにくく、破片が飛び散りにくい防災防犯ガラスの採用、各窓へのシャッターの設置などは有効な方法でしょう。また、雨水の侵入を防ぐ効果が高い屋根材もあり、強度面と合わせて対策をすると、より安心できるでしょう。
二次災害にも備えよう
次に地震や台風の二次災害である停電と断水への対策について見ていきましょう。
停電に備える
電気はなくてはならないライフラインの一つです。大災害の場合などは、停電から完全復旧まで8日間もかかる場合があり、二次災害となる可能性が高まるでしょう。しかし、停電が起こっても、発電や蓄電の設備があれば電気を使い続けることができます。
ここでは、太陽光発電設備とエネファーム、蓄電池を使用した全天候型3電池連携システムをご紹介します。このシステムでは、停電時には太陽光発電設備とエネファームで電気を作り、蓄電池に電力を貯めて供給を続けることができます。
そのため、雨天の際も約10日分の電力と暖房と給湯を確保し、停電発生時の蓄電池残量が30%でも、普段に近い生活をすることが可能です。エネファームは普段、お風呂やキッチンで使用しているガスに含まれる水素と空気中の酸素を燃料として発電し、さらにその排熱を利用して給湯できるので非常に効率が良く、発電の際の騒音も小さいというメリットがあります。
その反面、高額であることや、設置場所が必要なこと、そしてガスを利用して発電するので、災害でガスも止まると発電できないというデメリットも押さえておきましょう。
断水に備える
水道も重要なライフラインの一つです。飲料水と生活用水をいつでも確保できる状態にしておくことは、災害時の安心につながります。大きな地震が起こると水道管が破裂して、二次災害である断水が起こる恐れがあります。
そんなときに活躍するのが、床下空間に設置できる飲料水貯留システムです。このシステムがあれば、家族4人分の飲料水を3日分確保できます。また、雨水タンクに雨水をためておくと、災害時は生活用水として活用できるでしょう。
防災に配慮した間取りや住宅設備の工夫
ここでは、災害を想定して間取りを決めたり、住宅設備を取り入れたりする際の一例をご紹介します。
災害時に1階をベースに生活することを想定
リビング内の壁際に1段床が上がった畳のスペースを設けることで、和室のように布団を並べて敷くなど、家族で過ごすスペースとして活用できます。また、2階の各部屋から1階のリビングへ向かう動線に常夜灯ではなく、手持ちでも使える保安灯を設置すれば、停電時の明り取りに使え、夜間でも家族が安全にリビングへ集まることができるでしょう。
設備に関しては、窓ガラスはすべて防災防犯ガラスにすると安全性を確保でき、停電時に電源を確保するエネファームと蓄電池は、設置場所の基礎を一段階高くすることで、浸水のリスクを抑えることができます。
1階が被害で使用できず2階や家の外で過ごすことも想定
防災リュックや、ヘルメット等の防災用品を格納できる土間収納を玄関付近に設けておくと、避難時に持ち出しやすく便利です。また、水害などによって庭が浸水した場合もデッキなどのアウトドアリビングがあれば、使い勝手がいいでしょう。
浸水のリスクが高い地域の場合は、蓄電池を2階に設置することをおすすめします。万が一、床上浸水が発生しても電力の確保ができるため、2階を中心に生活をする在宅避難も可能となります。
家を購入する際は、日常生活での使い勝手の良さや快適さを重視するとともに、万が一の災害にも安心できるよう、設備や間取りなどに万全の対策を取り入れることをおすすめします。そうすることにより、もしライフラインが止まってしまったとしても、復旧するまでの数日間を自宅で、家族とともに過ごせる可能性が高まるでしょう。