機能的かつ美しい空間を目指すなら窓の設計にこだわるべし!
注文住宅の購入を検討している方の中には、大きな窓を設けて開放感のある空間を持ちたいと考えている方も多いでしょう。しかし、窓は設置する場所によって、外からの視線が気になってしまったり、リフォームがむずかしくなってしまったりするケースもあります。そこで本記事では、窓の設計のポイントについて解説します。
窓のプランニングはどう進めるのか
注文住宅の要望で多いのが、窓を大きくとって明るく開放的な住まいにしたいというものです。もちろん、窓をとれば外との繋がりができて開放感を得られます。しかし、住宅展示場でよく見かけるような大開口は、注意しなければならないポイントも多く存在するのが事実です。また、窓のプランニングをどのように進めていくのか知らない方も多いでしょう。窓は、間取りが決まった後、設置する場所を決めていくのではありません。
間取りを考える前に、まず窓の位置を決めるのです。光の差し込む方向や風の流れ、周辺の景色、人通りなどさまざまなポイントを考慮し、最初に窓の位置を決定します。つまり、窓のプランニングは注文住宅の最初のステップであり、その後間取りに落とし込んでいくという流れになるのです。
大きい窓にはメリットもデメリットもある
住宅内の開放感を優先に考えると、窓は大きければ大きいほどよいと考えがちでしょう。しかし、窓は大きければよいというものではなく、住宅と周辺の環境を考慮しながら考えることが重要です。また、窓を設置することはメリット・デメリットが存在するため、両方のポイントを確認しておきましょう。
まず、窓がもたらす最大のメリットは、太陽の光を取り込めることです。室内に照明を取り付ければ、明るさをある程度確保できますが、自然光の温かみや全体をやさしく照らす独特の雰囲気は演出できません。日中に自然光が差し込む空間ができれば、照明が不要になって光熱費削減になったり、太陽の熱がはいって室内がポカポカと暖かくなって暖房器具が不要になったりするメリットもあります。
さらに、大きな窓があると、屋外との繋がりができて開放感のある空間を演出できます。外の景色を楽しんだり、窓からウッドデッキに出られるよう設計したりすれば、リビングの畳数が少なくても空間を広く感じられます。
ただ、窓は家の熱を逃がしやすく、外気温が住宅内の空間に影響するポイントでもあります。暖房や冷房をしているのに、室内が快適な温度にならないという場合は、大きな窓が原因かもしれません。さらに、窓が大きいと、夏の強い日差しや西日が予想以上に入り込んでしまうケースもあります。太陽の角度や光の差し込む角度を調整すれば対策できますが、きちんと設計しないと日差しが気になって後悔するでしょう。
また、窓の設置場所によっては、人目が気になってしまうこともあります。人通りの多い大通りに大開口を設けてしまったら、一日中カーテンを閉めっぱなしにしなければなりません。せっかく窓があっても開けられないのはもったいないため、周辺環境を考えながら窓を設置しましょう。また、窓の前に植栽を施したり、格子で目隠しをしたりするのも効果的です。
リフォームが難しいからこそ窓の設計にこだわる必要がある
窓の設置に失敗したら、リフォームすればよいという考え方があるかもしれません。住宅設備の入れ替えや、クロスの張り替えといった簡単なリフォームであれば問題ないですが、窓の位置を考え直すとなると大がかりなリフォームになります。注文住宅では、窓の位置を最初に決めるケースが多いでしょう。
つまり、窓の位置を考え直すとなると、一から設計し直すのとあまり変わらない大規模な工事になるのです。お金に余裕があったり、仮住まいをするのに抵抗がなかったりする場合は心配ないですが、費用を捻出できずに諦めるケースが大半でしょう。また、仮住まいをするのもお金や手間がかかります。つまり、簡単に考えられがちなリフォームは、規模や内容によってはむずかしいケースも多いのです。
だからこそ、住む始めてから後悔することのないよう、注文住宅作りの最初のステップにあたる窓にはこだわる必要があるのです。また、一口に窓といっても、大きさや開き方が異なり、そもそも開かない窓も存在します。場所ごとに窓に対してどのような機能を求めるか慎重に検討し、理想の家づくりを進めていきましょう。
まとめ
居住空間に開放感や外との繋がりをもたらしてくれる窓ですが、必ずしも大きければよいというものではありません。窓を設置する場所や大きさによっては外の視線が気になったり、断熱性を落としてしまったりするのです。また、一口に窓といっても、大きさや開き方、形状などに違いがあります。窓の位置を考え直すとなると大規模なリフォームが必要になるため、慎重に検討するのがおすすめです。また、窓に対してどのような機能を求めるか明確にしておくと、失敗するリスクを軽減できるでしょう。