注文住宅の収納で後悔した実例と失敗しない間取りのコツ
注文住宅を建てた人の後悔でもっとも多いのが収納の失敗です。設計時に十分な広さを確保したつもりでも、実際に住み始めると「使いにくい」「足りない」と感じる人が少なくありません。この記事では、玄関・キッチン・ファミリークローゼットなど場所別の失敗例と対策を解説します。
収納不足で後悔する理由
多くの人が「収納は十分に用意した」と考えて注文住宅を建てますが、住み始めてから収納不足に悩むケースが後を絶ちません。まずは、なぜ収納で後悔する人が多いのか、主な原因を見ていきます。
子どもの成長で荷物が増える
注文住宅を建てる時点では子どもが小さく、荷物も少ないため収納が足りると思いがちです。しかし、子どもが成長すると服のサイズが大きくなり、学校の教科書やノート、部活動の道具、習い事の用具などが増えていきます。子どもが描いた絵や工作、思い出の品なども捨てられず、収納スペースを圧迫することが多いでしょう。
使う場所と収納場所が離れている
収納スペースを確保しても、使う場所から離れた位置にあると不便で使わなくなります。たとえば、玄関で使う傘やレインコートの収納が2階にあると、出かけるときにわざわざ取りに行くのが面倒で結局玄関に置きっぱなしになるでしょう。
玄関収納の失敗例と対策
玄関は家の顔ともいえる場所で、来客時に最初に目に入ります。収納が足りないと靴や傘、ベビーカーなどで散らかり、恥ずかしい思いをすることになるでしょう。玄関収納の失敗を防ぐポイントを紹介します。
土間収納の広さが不十分
土間収納は靴だけでなく、ベビーカーや自転車、アウトドア用品、子どもの外遊びグッズなども収納できる便利なスペースです。しかし、広さが足りないと奥の物が取り出しにくくなり、結局玄関に物が溢れます。土間収納は最低でも1畳以上、できれば2畳から3畳の広さを確保すると使いやすくなります。奥行きが深すぎると手前に物を置いてしまい、奥がデッドスペースになるため、奥行きは45cm程度に抑えることがポイントです。
キッチン収納の失敗例と対策
キッチンは毎日使う場所で、食器や調理器具、家電、食品など収納する物が多くあります。収納が足りないと作業スペースが狭くなり、料理の効率が下がってしまうでしょう。使いやすいキッチン収納のコツを解説します。
パントリーの奥行きが深すぎる
パントリーは食品や調味料、日用品をまとめて収納できる便利なスペースですが、奥行きが深すぎると奥の物が取り出しにくくなります。奥行きは45cm程度が適切で、それ以上深くすると手前に物を重ねて置いてしまい、奥にある食品の賞味期限が切れることもあるでしょう。棚板を可動式にしておくと、収納する物に合わせて高さを調整でき、無駄なスペースが減ります。
食器棚の高さが合わない
キッチンの吊り戸棚や食器棚を高い位置に設置すると、手が届かず普段使いできません。とくに身長が低い人の場合、毎日使う食器が取り出しにくいと料理のたびにストレスを感じます。よく使う食器や調理器具は目の高さから腰の高さの範囲に収納し、たまにしか使わない物を高い位置や低い位置に置くと使いやすくなるでしょう。
ゴミ箱置き場を考えていない
キッチンには燃えるゴミ、プラスチックゴミ、缶・ビンなど複数のゴミ箱が必要ですが、ゴミ箱の置き場所を考えずに設計すると、キッチンが狭くなります。シンク下やカウンター下にゴミ箱を収納するスペースを作っておくと、見た目もすっきりして作業動線の邪魔になりません。
玄関からキッチンが遠い
買い物から帰ったときに玄関からキッチンまでの距離が遠いと、重い荷物を運ぶのが大変です。玄関からキッチンやパントリーに直接行ける動線を作ると、食品や日用品をスムーズに収納でき、家事の効率が上がります。勝手口を設けてキッチンから直接外に出られるようにするのもおすすめです。
ファミリークローゼットのよくある失敗例と対策
ファミリークローゼットは家族全員の服をまとめて収納できる便利なスペースですが、広さや配置を間違えると使いにくくなります。ファミリークローゼットで後悔しないためのポイントを見ていきます。
広さが足りず詰め込むだけになる
ファミリークローゼットが狭すぎると、服を詰め込むだけの物置になってしまいます。家族全員の服を収納するには最低でも3畳以上の広さが必要で、4人家族の場合は4畳から5畳あると余裕をもって使えるでしょう。人が歩くスペースも考慮して、通路幅は60cmから75cm確保することが大切です。
洗濯動線から離れている
ファミリークローゼットが洗濯機や物干し場から遠いと、乾いた洗濯物を運ぶのが面倒になります。洗濯機のある洗面所やランドリールームの近くにファミリークローゼットを配置すると、洗濯から収納までの動線が短くなり、家事の時間を大幅に減らせるでしょう。各部屋に洗濯物を運ぶ手間も省けます。
家族のプライバシーが保てない
子どもが小さい間は家族全員の服を一緒に管理できますが、思春期になると自分の物は自分で管理したいと考えるようになります。ファミリークローゼットを作る場合は、将来的に子ども部屋に個別の収納スペースを設けることも検討しておくとよいでしょう。
可動棚にしておらず使いにくい
固定式の棚だと収納する物が変わったときに対応できず、デッドスペースが生まれます。可動式の棚板にしておけば、子どもの成長に合わせて服のサイズが変わっても高さを調整でき、長く使い続けられるでしょう。市販の収納ボックスも組み合わせると、小物の整理がしやすくなります。
まとめ
注文住宅の収納で後悔しないためには、持ち物の量を把握し、使う場所の近くに適切な広さの収納を配置することが重要です。玄関には土間収納やシューズクローゼット、キッチンにはパントリー、家族の服をまとめるファミリークローゼットなど、生活動線を考えた収納計画を立てましょう。この記事の内容を参考に、住んでからも快適に暮らせる理想の注文住宅を実現しましょう。



























