注文住宅は失敗が起きやすい？依頼前に防止策を考えておこう！

注文住宅は一生に一度の買い物であり、ほとんどの人が経験値０からのスタートです。これ以上ないほどの理想の家を建てても、実際に住んでみると失敗や問題点が見つかることも珍しくはありません。それでは、注文住宅の建設において失敗はなぜ起きるのでしょうか？失敗を回避する防止策を紹介するため、検討している人は参考にしてください。

注文住宅の失敗はなぜ起こる？

高額な住宅ローンを組んで注文住宅を建てたのに、理想と違った、使い勝手が悪いなどの失敗談が聞かれます。その多くは家族構成が変化した、業者任せにし過ぎた、日当たりや風向きが実際と違う、など住んでみて初めてわかるものです。

子どもの成長は育児本と同じというわけにはいかず、予想外に子ども部屋で過ごせなかったり、見通しのきくリビングを嫌がったりもします。こちらの知識が充分でないために業者に一任してしまい、自分の理想とギャップが生じることもあるでしょう。実際に住んでみて、数年経過してから浮彫になる問題点も多々あります。

これらの失敗は施主側の知識不足、経験不足からくるものが多く、とても解決が難しい問題です。高い理想を押し通しても、実生活に不具合を起こすようでは困りますよね。住宅に関してはほとんどの人が素人のため、すべてを総合的に見通して判断を下すには、個人の力では限界があります。

注文住宅で起きがちな失敗例

日当たりや風向きは季節によって変化するので、土地の選別時と異なる場合があります。湿気やカビの問題に発展する可能性もあるようです。リモートワーク用に作った書斎は、思いの外、音が外部に漏れる、という声も聞かれます。

人気のパントリーを作ってみたが、キッチンと距離があり、調理しにくい、保存期間を把握しにくいなどの問題点が見つかるそうです。昨今のキッチンは機能性やデザイン的に優れたものが多く、単体で発注してしまう人が多いでしょう。そのため、家が建つとキッチンが床や家具と合わない、統一感がないという問題が生じてしまいます。

また、意外に多いのが玄関に関する失敗です。玄関は家の顔であり、来客が一番に目にする場所でもあります。同時にさまざまな日用品を収納する必要があり、この収納スペースの取り方で、失敗と成功が分れてくるのです。

壁紙は常時目にするものであり、ここで問題点がみつかると、生活上大きなストレスを抱えてしまいます。壁紙自体が気に入ったものでも、照明をつけてみると違和感を生じることがあるでしょう。家具を搬入したら壁紙の色柄が派手過ぎた、壁紙が浮いてしまったといった失敗もあるようです。カタログだけでなく、全体に張った状態をイメージして壁紙を選びましょう。

外装における失敗で最も多いものが外壁に関するものです。外壁は注文住宅のイメージを決定するため、ここで失敗するとモチベーションが下がってしまうでしょう。白やベージュ、淡色の外壁が好まれますが、衣服と同じで汚れが目立ちます。逆に濃い色、黒や茶、紺色などの外壁にすると家全体が暗く重いイメージになりがちです。業者と充分相談した上で、飽きの来ない色を選びましょう。

また、外壁は大気の影響を直接受ける部分でもあります。風の強い地域や豪雪地帯では、劣化が早くなることもあるでしょう。多少費用がかさんでも、外壁は耐久性を重視して選択してください。その後のメンテナンスも必要で、屋根も外部の影響を直接受ける場所です。豪雪地帯では雪対策を施した屋根、雨どいが必須となるでしょう。

ガレージに関しても、車を入れてみると不便に感じた、という失敗を聞きます。作ってはみたけれど、周囲の道路事情により、車を後ろ向きに入れにくい、見通しが悪い、思ったよりもガレージが狭かった、というものです。ガレージには車以外にも、予備タイヤや工具など収納設置したいものがありますよね。夜間に車をガレージに入れる際は、照明がないと危険を伴います。手動タイプの照明は、一度車から降りて点灯させなければならず、手間を取ってしまうことになるでしょう。

注文住宅の失敗を防ぐためには？

失敗を訴える施主の多くは、「業者に任せきりにしてしまったのが原因」と答えます。注文住宅を建てるには専門的な知識が多く必要で、業者に一任してしまいたいと思うのも無理ないでしょう。しかし、一生ものの高い買い物をするのですから、自分の理想を追求していくべきです。

理想の注文住宅は、それぞれの家族の在り方と同じで千差万別となっています。業者と話し合い、自分の理想を理解してもらいましょう。そのためには、施主側も充分な知識を得る必要があります。「妥協」も失敗する要因のひとつです。業者との充分な擦り合わせの他、近隣住民から情報を得る、よく似た家族構成の知人からアドバイスしてもらうことも失敗を防ぐ方法です。

未経験で建てる注文住宅は、後からこうすればよかった、こうしなければよかったという問題点が生じてしまいます。注文住宅の場合は、後から修正不可能な箇所も多いでしょう。大切なことは業者に任せきりにしない、という姿勢です。知識不足のために生じる失敗は、知識を蓄えることで回避できます。後悔しない家づくりのために、知識を蓄え、情報を精査する努力が必要です。